石山寺 〜紫式部ゆかりの地へ その①〜
先日、休みの日の朝にいきなり石山寺に行く・・という奴がいまして、急遽滋賀県へ。
車で走ること4〜50分、瀬田川沿の道路に出る。前はよくこの道通ったな〜と思いながら程なくすると立派なお寺の前に出る。石山寺は西国三十三所観音霊場の第十三番札所で、真言宗の大本山となる奈良時代創建の1,000年以上歴史ある由緒正しきお寺。また今回行こうとなったきっかけはNHKの大河ドラマ『光る君へ』を毎週見ていたから。ヒロインである吉高由里子さん演じる「紫式部」が『源氏物語』を書きはじめた地とされているからに他ならない。
お寺の正面の大東門の前に立つ。大東門は鎌倉時代の建立とされ淀殿の寄進により大規模な修理が行われたらしい。日曜日の昼間というのにそれ程参拝者は多くはない。昨今オーバーツーリズムで近県の京都では問題視されているのに、距離的な問題か足の問題かここでは外国人はそう目立っておらずちらほら見かける程度。(けっこう広いな・・・)案内図を見ながら何処へ足を運ぶか考える。とりあえず大東門をくぐって参道へ。
それにしても見事な仁王像。大きさはそれ程でもないが躍動的で迫力がある。調べてみるとやはり運慶とその長男である湛慶が作ったとのこと。何を隠そう慶派の仏像の造形が好きなんです。それ以外の仏像を見てもどこか作り物(当然ですが)でリアルさが感じられないのが好みでない。
参道に入ると何か時間がゆったりと流れて自然な静けさがある。参道横に法輪院というお寺があって少し中を覗くと、真っ赤な傘に牛車が置かれており、どこか平安の世を思わせる作りとなっていた。これも紫式部の影響か。
参道を進んだその先に石山寺道標があり、その前に入場券売り場がある。早速、入場券を購入し本堂に向かう長い石段を登ってゆく。今日はけっこう晴れたので気温も高いようで、木々が生い茂っていて日陰があるにも関わらず汗が吹き出してくる。暑い、しんどい・・・ちょうど石段の半ばあたりに龍蔵権現社という祠があり、苔むして涼しげだったので写真に収めて一息ついた。千年前、紫式部もここをこうやって歩いてあがったのか? 高貴な人は違う登り方で? なんて、平安の時代へとしょうもない思いを馳せてみた。そんなこんなでやっと登りきった所に大きな杉の木が。聞くと千年杉と呼ばれているらしく、伊勢神宮にあった杉の大木にも劣らないこんな神木が境内には3本もあるとのこと。本当に樹齢が1,000年あるかどうかは別として、こんなところにも歴史を感じることができる。
正面をみると巨大な石の壁が。これは「石山硅灰石」と呼ばれ、この巨大な硅灰石の岩盤の上に建てられたので石山寺と呼ばれるようになったとか。この光景をみると安倍晴明が天文学で政治を占った時代からここは今でいうパワースポット(聖地)だったんだろうなと感じることができた。
(後半へ続く・・・)